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渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第7回 スタートアップ企業への出資① 子法人等・関連法人等の業務範囲規制』が金融法務事情2212号(2023年6月25日号)に掲載されました。

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第7回 スタートアップ企業への出資① 子法人等・関連法人等の業務範囲規制』が金融法務事情2212号(2023年6月25日号)に掲載されました。

もう泣き寝入りはしない!ネット上での誹謗中傷

2023/07/04

(執筆者:弁護士 八木康友)

【Q.】
 私はレストランを経営しておりますが、SNS上に「あの店の料理はまずいし、厨房には干からびた生肉が放置されていた。衛生面も怖いので二度と行かない」など、事実と異なる誹謗中傷の投稿がなされています。このような投稿によって客足が遠のいてしまうことを危惧しているのですが、どのように対応していったらよいのでしょうか。
【A.】
1.はじめに
 近年、インターネットが発達し、SNSなどの利用により誰もが全世界に向けて自由に情報発信をすることができるようになりました。このように、個人がインターネットを通じた強い情報発信力を有する現代においては、どのような事業者も、インターネット上での誹謗中傷その他の有害な情報発信によって名誉毀損などの被害を受ける可能性があります。そこで、その対応方法について整理しておく必要があると思われます。
 インターネット上での誹謗中傷その他の有害な情報発信への対応としては、主に、�@情報発信にかかる投稿等の削除請求、�A情報発信者に対する損害賠償請求等が考えられます。今回は、それらの対応の概要について、ご説明します。

2.情報発信にかかる投稿等の削除請求について
 情報発信にかかる投稿等の削除請求については、その投稿等がなされたサイトの管理者等に対し、任意での削除を求める方法や、訴訟提起等により削除を求める方法が考えられます。この点、費用や削除までの期間の観点からすれば、まずは任意での投稿等の削除を求める方法から検討すべきです。
 任意での削除を求める方法については、基本的に、サイト管理者等によって用意されている手段(サイト上に設置されているウェブフォームからの削除依頼など)に従って削除を求めていくほか、プロバイダ責任制限法(※1)ガイドライン等検討協議会HPに公開されている「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」(※2)に沿って、書面等により削除を求めていくこととなります。
 訴訟提起等により削除を求める方法については、裁判所への仮処分申立てを通じて、サイト管理者等に対し、投稿等にかかるデータを(サーバーコンピュータを介して)第三者に提供する行為の差止めを求めていくこととなります。
 ただし、いずれの方法によるとしても、基本的に、その投稿等によって人格権や著作権、商標権などの一定の権利が侵害される場合でなければ削除が認められない点についてはご注意ください。
※1 正式名称は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」
※2 https://www.isplaw.jp/vc-files/isplaw/provider_hguideline_20220831.pdf

3.情報発信者に対する損害賠償請求等について
(1)情報発信者の特定について
 情報発信者に対する損害賠償請求等を行うためには、まず情報発信者の住所・氏名などの情報を調査する必要があります。その調査方法としては、情報発信にかかる投稿等に利用されたIPアドレス(※3)から調査する方法や、情報発信にかかる投稿等と紐づけられた電話番号から調査する方法が考えられます。
 IPアドレスから調査する方法については、従来、�@サイト管理者等から任意に、または仮処分の申立てによってIPアドレスの開示を受け、�AそのIPアドレスの割当を行った通信事業者から訴訟によってそのIPアドレス使用者の住所・氏名などの開示を受ける、という2段階の手続きを行う必要がありました。ところが、この方法には、手続き中にIPアドレス使用者を特定するためのログを消去される、というリスクがありました。そこで、令和4年10月1日施行のプロバイダ責任制限法の改正法により、サイト管理者等に対するIPアドレスの開示請求と、IPアドレスの割当を行った通信事業者に対するIPアドレス使用者の住所・氏名などの開示請求について、単一の手続きにて行うことができるようになりました(同法第8条〜第18条)。
 電話番号から調査する方法については、まず、サイト管理者等に対して電話番号の開示を求める訴訟を提起し、その電話番号の開示を受けます。その後、電話会社に対してその電話番号にかかる契約者の住所・氏名などの情報開示を求める弁護士会照会を行い、情報発信者の住所・氏名などの情報を取得します。
※3 インターネットに接続している端末に対して、通信事業者より割り当てられている符号のこと
(2)情報発信者に対する損害賠償請求等について
 情報発信者に対しては、実際に生じた損害について民事上の損害賠償請求を行うとともに、場合によっては、今後の有害な情報発信への抑止力とするために刑事告訴を行うことが考えられます。これらの手続きを行う際には、問題となる投稿等に関する証拠を提出することが想定されるため、事前にその内容について証拠化しておく必要がある点について、ご注意ください。

4.まとめ
 インターネット上での誹謗中傷その他の有害な情報発信に対しては、被害拡大の防止や被害回復、再発の抑止を図るために前述のような対応を行うことが考えられます。各種対応を進めるに当たっては、専門的な知見に基づく判断が求められますので、必要に応じて専門家に相談することをご検討ください。

以 上

大阪事務所でのサマークラークの募集を開始しました(募集は終了いたしました)。

2023/06/01

大阪事務所でのサマークラークの募集を開始しました。
詳細は下記をご覧ください。
https://www.miyake.gr.jp/careers/osaka/summer_clerk

渡邉雅之弁護士が執筆した『マネロン対策で欠かせない!営業店で取り組む継続的顧客管理〜顧客リスクごとのリスク管理手法①」が近代セールス2023年6月1日号に掲載されました。

渡邉雅之弁護士が執筆した『マネロン対策で欠かせない!営業店で取り組む継続的顧客管理〜顧客リスクごとのリスク管理手法①」が近代セールス2023年6月1日号に掲載されました。

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第6回・他業銀行業高度化等会社』が金融法務事情2210号(2023年5月25日号)に掲載されました。

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第5回・他業銀行業高度化等会社』が金融法務事情2210号(2023年5月25日号)に掲載されました。

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第5回・他業銀行業高度化等会社』が金融法務事情2210号(2023年5月25日号)に掲載されました。

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第5回・他業銀行業高度化等会社』が金融法務事情2210号(2023年5月25日号)に掲載されました。

6/8オンラインセミナー「表示コンプライアンスの遵守に向けた実務対応 − 近時の景表法改正・処分事例を踏まえて −」(ZOOMウェビナー)

下記の通り、オンラインセミナーを開催いたします。
ご参加いただけます場合、お申込みは下記URLよりお願いいたします。

                  記

 「表示コンプライアンスの遵守に向けた実務対応 − 近時の景表法改正・処分事例を踏まえて − 」
_
  日 時 : 2023 年 6 月 8 日(木)14:00〜16:00
  会 場 : ZOOMウェビナーによるオンラインセミナー
  参加料 : 無料
  主 催 : 弁護士法人三宅法律事務所
  共 催 : 宝印刷株式会社
  講 師 : 弁護士法人 三宅法律事務所
       パートナー弁護士、元・内閣府消費者委員会事務局参事官補佐 竹村知己
       弁護士 村田大樹

  お申込み:https://ssl.alpha-prm.jp/miyakemail.jp/hyouji.html
  申込期日:6 月 4 日(日)までにお申し込みください。

   (1)お申し込み後、セミナー前日までに登録メールが届きますので、ご登録をお願いします。
   (2)登録後、セミナー受講URLが届きます。
   (3)セミナー当日、(2)の受講URLよりセミナー受講画面にお進みください。
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  ※ 事前質問を受け付けます。
    登録後に届く確認メール内に記載のメールアドレス宛にご質問をお送りください。

 景品表示法は、不当な表示や景品類の提供等、不当に顧客を誘引する行為を禁止することにより、消費者の利益を保護するための法律です。
 近時、様々な業種で景品表示法の違反事例が公表されていますが、誰もが知る大企業が措置命令、課徴金納付命令等のペナルティを受けるケースも散見されるなど、法執行は年々厳しさを増しています。
 また、直ちに違反にならないケースでも、事業者にはコンプライアンスの遵守やレピュテーションリスクの観点から表示内容を精査することが求められます。その際、法務部門のみならず、事業部門も関わるため、事業者内で喧々諤々の議論になることも少なくありません。
 さらに、ステルスマーケティングやアフィリエイトなど、新たな広告形態が登場し、当局からも各種ガイドラインや運用基準が公表されていますので、事業者としては、業種や広告形態に応じた対策が必要になってきます。
 そのような中、2023年2月28日には、景品表示法の一部を改正する法律案が国会に提出され、違反行為を繰り返す事業者に対して課徴金の額の加算、直罰規定の新設等による違反行為に対する抑止力の強化が図られます。他方、同改正案では、違反行為の疑いがある事業者が一定の措置を講じた場合には措置命令や課徴金納付命令を免れることができるとするなど、事業者の自主的な取り組みを促進する内容も含まれています。
 今回のWEBセミナーでは、消費者法分野に精通した弊所弁護士が、景品表示法の基礎知識を前提に、近時の法改正の内容や処分事例について解説するとともに、事業者が表示コンプライアンスを遵守する上で留意すべきポイントや、当局対応のポイント等について解説します。
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【プログラム】
  第1 景品表示法の基礎知識
  第2 最近の処分事例
  第3 近時の法改正項目
  第4 表示コンプライアンスの遵守に向けた事業者の実務対応

東京事務所でのサマークラークの募集を開始しました(募集は終了いたしました)。

2023/05/11

東京事務所でのサマークラークの募集を開始しました。
詳細は下記をご覧下さい。
http://www.miyake.gr.jp/careers/tokyo/summer_clerk

賃金支払いの新たな選択肢!デジタル払いの解禁

2023/05/10

(執筆者:弁護士 村田大樹)

【Q.】
 令和5年4月1日から、賃金のデジタル払いが解禁されると聞きました。賃金のデジタル払いというのはどのような制度で、導入するとしたら企業はどのような対応が必要になるのか、教えてください。
【A.】
1.はじめに
 賃金は、通貨での支払いが原則ですが、これまでも一定の要件を満たす限りで、銀行その他の金融機関の預貯金口座への振り込み及び証券会社の証券総合口座への払い込みにより支払うことができるとされていました。
 近年、キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中で、このようなサービスを給与の受け取りに活用するニーズも一定程度見られたことから、令和5年4月1日施行の改正労働基準法施行規則により、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(以下「指定資金移動業者」)の口座への資金移動による賃金の支払い(以下「デジタル払い」)が可能となりました。
 そこで本稿では、賃金の支払いに関するルールを踏まえ、今回のデジタル払いの導入における留意点について解説いたします。

2.賃金の支払いに関するルール
 賃金の支払いに関しては、直接払いの原則、全額払いの原則のほか、賃金は通貨(外国通貨は含まれない)で支払わなければならないという通貨払いの原則があります。そして、通貨払いの原則の例外として、労働者から同意を得た場合には、労働者が指定する銀行その他の金融機関の本人名義の預貯金口座に振り込むことなどが可能とされています。なお、給与を振り込む預貯金口座等については、労働者が指定したものに限られ、企業が指定することはできませんので注意が必要です。

3.デジタル払いの解禁
 今回の改正では、通貨払いの原則の例外として、預貯金口座等への振り込みに加えて、労働者が指定する指定資金移動業者の口座への資金移動による支払いが認められました。資金移動業者とは、いわゆる「○○ペイ」などキャッシュレス決済サービスを提供する業者等のことをいい、資金移動業者が令和5年4月1日以降の申請により厚生労働大臣から指定を受ければ、企業は後記4の要件を具備したうえで当該指定資金移動業者の口座に賃金を支払うことができます。なお、デジタル払いを導入したとしても、現金化できないポイントや仮想通貨での賃金の支払いは認められていません。
 デジタル払いは、あくまで賃金の支払い・受け取り方法の選択肢の一つであり、必ず導入しなければならないものではありませんし、導入するとしても、全ての労働者の現在の賃金支払い・受け取り方法の変更が必須となるわけではなく、労働者が希望しない場合には、従来どおりの方法によって賃金を支払わなければなりません。また、賃金の一部のみ指定資金移動業者の口座への振り込みとし、そのほかを従来どおりの方法とすることも可能です。
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4.デジタル払い導入のための要件
 デジタル払いを導入するためには、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合と、ない場合は労働者の過半数を代表する者と、デジタル払いの対象となる労働者の範囲、賃金の範囲及びその金額、取り扱う指定資金移動業者の範囲等を取り決めた労使協定を締結する必要があります。
 これに加えて、企業は、企業自身あるいは委託した指定資金移動業者からデジタル払いに必要な事項(指定資金移動業者の資金目的、指定資金移動業者が破綻した場合の保証、資金が不正に出金等された場合の補償等)を説明したうえで、個々の労働者から書面等により同意を取得しなければなりません。これにより企業は、当該同意書に記載された支払開始希望時期以降、労働者が指定した口座に賃金を支払うことができます。
 なお、デジタル払いの場合は、所定の賃金支払い日の午前10時頃までに為替取引としての利用が行い得る状態になっていること、及び、所定の賃金支払い日のうちに賃金の全額が払い出し得る状態になっていることが必要です。
 詳しくは、厚生労働省ホームページの「資金移動業者の口座への賃金支払に関する資金移動業者向けガイドライン(令和5年3月8日公表版)」(※)をご確認ください。
※https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001069053.pdf
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5.導入企業における留意点
 企業は、デジタル払い以外の選択肢も提示したうえで労働者から同意を得る必要がありますので、同意書には、デジタル払い以外の選択肢も提示した旨の記載をしておく必要があります。同意書については、厚生労働省のホームページに雛型が備えられていますので、それを利用するのがいいでしょう。
 また、デジタル払いができるのは、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者に限られますので、労働者から指定を受けた資金移動業者が指定資金移動業者であるかどうかを確認する必要があります。指定資金移動業者については、厚生労働省のホームページ上に掲載されますので、導入時に確認しておく必要があります。
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6.さいごに
 今後、キャッシュレス決済サービスはますます普及すると予想され、いずれはデジタル払いを導入する必要が出てくると思われますので、今回の改正を機に早めに導入しておくのも一つです。導入にあたって不明点等がありましたら、必要に応じて専門家に相談することをご検討ください。

以 上

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第5回・デジタルマネーサービス』が金融法務事情2208号(2023年4月25日号)に掲載されました。

渡邉雅之弁護士と松崎嵩大弁護士が執筆した『事例で学ぶ銀行グループ会社業務範囲規制〜第5回・デジタルマネーサービス』が金融法務事情2208号(2023年4月25日号)に掲載されました。

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