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トピックス・法律情報

令和2年改正法の個人情報保護法ガイドラインQ&A

2021/10/03

個人情報保護委員会が2021年(令和3年)9月10日に更新した令和2年改正法に係る『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&A』(以下「個人情報保護法ガイドラインQ&A」という。)の更新部分(2022年(令和4年)4月1日施行)について掲載いたします(「追加Q&A」と「更新Q&A」があります。)。
 「更新Q&A」については修正履歴付きのものも併せて掲載しています。
 また、個人情報保護委員会が2021年(令和3年)9月30日に、事業者の関心が高く、個人の権利履歴保護の観点から令和2年改正法施行前より適用が可能なものとして公表したQ&Aについては橙色で該当Q&Aを明らかにしています。
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令和2年改正法の個人情報保護法ガイドラインQ&A

作成者:渡邉雅之
* 本ニュースレターに関するご相談などがありましたら、下記にご連絡ください。
弁護士法人三宅法律事務所 弁護士渡邉雅之
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分析資料:FATF第4次対日相互審査報告書に基づく金融機関等に求められる対応(解説動画付き)

2021/09/21

本書面は、FATF(Financial Action Task Forces:金融活動作業部会)が2021年8月30日に公表した第4次対日相互審査報告書に基づき、金融機関等に求められる対応について分析した資料を公表いたします。

分析資料:FATF第4次対日相互審査報告書に基づく金融機関等に求められる対応

上記資料の解説動画とレジュメです。
解説動画:FATF第4次対日相互審査報告書に基づく金融機関等に求められる対応

レジュメ:FATF第4次対日相互審査報告書

執筆者:渡邉雅之
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FATF第4次対日相互審査報告書(2021年8月30日)Japan‘s measures to combat money laundering and terrorist financing
(対日相互審査報告書:英語)Mutual-Evaluation-Report-Japan-2021 (pdf, )
(対日相互審査報告書(概要版):英語)Executive-Summary-Mutual-Evaluation-Report-Japan-2021 (pdf, )
(財務省)
〇対日相互審査報告書の概要版の仮訳
〇今後3年間の「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画
〇マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議の設置について
〇FATF(金融活動作業部会)対日相互審査についての財務大臣談話
(金融庁)FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書の公表について

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【2021年9月1日施行】マイナンバー法改正:従業者本人の同意があった場合における転職時等の使用者間での特定個人情報の提供

2021/09/02

 令和3年(2021年)通常国会において成立し、同年5月19日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号、以下「デジタル社会形成整備法」又は「改正法」といいます。)における「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「マイナンバー法」又は「法」といいます。)その他の法律及び同時に成立した関連法により、個人番号(以下「個人番号」又は「マイナンバー」といいます。)関連の改正がなされることになりました。2021年9月1日には「従業員本人の同意があった場合における転職時等の使用者間での特定個人情報の提供」が施行されましたので以下解説いたします。

1.改正概要
 改正法によるマイナンバー法の改正により、特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報、以下同じ。)が第三者に提供できる場合として、「使用者A」における「従業者等」(従業者、法人の業務を執行する役員等)であった者が「使用者B」の従業者等になった場合、当該「従業者等」の同意を得て、「使用者A」が「使用者B」に対して、その個人番号関係事務を処理するために必要な限度で当該従業者等の個人番号を含む特定個人情報を提供する場合が追加されます(法19条4号)。
 これは、従業員等の出向・転籍・退職等があった場合において、本人の同意があるときは、転籍・退職前の使用者から、出向・転籍・再就職した使用者に、当該従業員等の特定個人情報の提供を可能にするものです。
2.施行期日
 この改正は、令和3年9月1日に施行されました(改正法附則1条本文)。
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〇従業者本人の同意があった場合における転職時等の使用者間での特定個人情報の提供

(出所)「デジタル改革関連法案について」(令和3年3月)(内閣官房IT総合戦略室・デジタル改革関連法案準備室・総務省自治行政局)

3.改正の背景・効果
 個人情報保護法が本人同意を根拠とする個人情報の第三者提供を認められています(同法23条1項)。
 特定個人情報以外の従業員の個人情報については、「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針(解説)」の「(参考4)採用、出向・転籍、退職時点における個人情報の適正な取扱いを確保するための留意点」において、「退職者の転職先又は転職予定先に対し当該退職者の個人情報を提供することは第三者提供に該当するため、あらかじめ本人の同意を得なければならない。」として従業員の同意を得た上で直接、転籍・再就職先に提供することが認められています。
 他方、特定個人情報の場合は、本人であってもマイナンバー法19条各号が特に認める場合を除き、第三者に提供することが禁止されています。
 従業員等は、転籍・退職等により雇用先を変更した場合に、転籍・再就職後の勤務先に対し、改めてマイナンバーを提供しなければならず、国民・事業者の負担が極めて大きいため、見直しを求める要望があったためになされた改正です。
 これにより、従業員等の転籍・退職等があった場合、従業員等が改めて特定個人情報を提供する必要がなくなるため、国民・事業者の負担が軽減されることが期待されます。

4.実務上の対応
(1)従業員の同意の取得時期
 「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(以下「事業者ガイドライン」といいます。)の改正(以下「改正事業者ガイドライン」といいます。)において、特定個人情報の提供は、従業者等の出向・転籍・退職等があった場合に、当該従業者等の同意を得た上で、行われるものであるので、出向・転籍・退職等前の使用者等は、当該従業者等の出向・転籍・再就職等先の決定以後に、個人番号を含む特定個人情報の具体的な提供先を明らかにした上で、当該従業者等から同意を取得することが必要となるとされています。
 したがって、特定個人情報を出向・転籍・再就職先の使用者に提供することについて雇用契約等において採用時点において同意を取得したり、就業規則に同意をしていることとは認められないものと考えられます。
(2)従業員の特定個人情報の提供の時期
 個人番号を含む特定個人情報の提供時期については、従業者等の出向・転籍・再就職等により「他の使用者等における従業者等になった場合」になります。 その解釈については、その立場や状況が個々に異なる ことから一律に取り扱うことはできませんが、例えば、「内定者」が確実に雇用されることが予想される 場合(正式な内定通知がなされ、入社に関する誓約書 を提出した場合等)には、その時点で個人番号の提供を求めることができると解されることから、個人番号 を含む特定個人情報の提供もこれに準じて考えることができると解されます。(ガイドライン案パブコメ回答4番)
(3)同意の取得方法
 「従業者等の同意を得」るとは、従業者等の承諾する旨の意思表示を使用者等が認識することをいい、特定個人情報の取扱状況に応じ、従業者等が同意に係る 判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切 な方法によらなければなりません。(ガイドライン案パブコメ回答5番)
 そこで、改正事業者ガイドラインにおいては、『どのような特定個人情報が出向・転籍・再就職等先の使用者等に対して提供されることになるのか、従業者等が認識した上で、同意に係る判断を行うことができるよう、出向・転籍・退職等前の使用者等は留意する必要がある。』とされています。
 具体的な同意取得の方法は、『従業者等からの同意する旨の口頭による意思表示のほか、従業者等からの同意する旨の書面(電磁的記録を含む。)の受領、従業者等からの同意する旨のメールの受信、従業者等による同意する旨の確認欄へのチェック、従業者等による同意する旨のウェブ上のボタンのクリック、従業者等による同意する旨のタッチパネルへのタッチ、ボタン等による入力等』とされています。
(4)同意の任意性
 本人の同意というものは自由意思によるものであり、従業員等の意思に反して特定個人情報を出向・転籍・再就職先の使用者に直接提供することについて同意をすることを強制することはできないと考えられます。また、従業員等は一度、特定個人情報を転籍先・再就職先に直接提供することについて同意してもこれを撤回することができるものと考えられます。
 ※参議院内閣委員会(令和3年5月11日)の杉尾秀哉議員(立憲民主)の質問に対する冨安泰一郎政府参考人(内閣官房内閣審議官)の回答
(5)従業員の出向に伴う共有データベースのマイナンバーの移動
 改正前の事業ガイドラインにおいては、従業員等の出向に伴い、本人を介在させることなく、共有データベース内で自動的にアクセス制限を解除する等して出向元の会社のファイルから出向先の会社のファイルにマイナンバーを移動させることは、提供制限違反とされていますが、改正事業者ガイドラインでは「本人の同意」があれば、出向者本人の意思に基づく操作なしに特定個人情報を移動することが可能となります。
(6)提供可能な情報の範囲
 具体的に提供可能な範囲の情報は「その個人番号関係事務を処理するために必要な限度」とされています(マイナンバー法19条4号)。
改正事業者ガイドラインによれば、『例えば、従業者等の氏名、住所、生年月日等や前職の給与額等については、これらの社会保障、税分野に係る届出、提出等に必要な情報であることが想定されるため、本号に基づく提供が認められる。一方、個別の事案ごとに、具体的に判断されることになるが、前職の離職理由等の、当該届出、提出等に必要な情報であるとは想定されない情報については、本号に基づく提供は認められないと解される。』とされています。
 すなわち、社会保険の資格届や給与支払報告書等の提出に必要な「氏名、住所、生年月日等」や「前職の給与額等」は、従業員本人の同意があれば転職先等に提供することが認められます。
 これに対して「前職の離職理由」等の社会保険の資格届や給与支払報告書の届出・提出等に必要な情報であるとは想定されない情報は、従業員本人の同意があっても転職先等に提供することは認められません。
(7)本人確認の要否
 改正事業者ガイドライン案によれば、本人の同意に基づき、出向・転籍先・再就職先の使用者に特定個人情報を移転させる場合には、マイナンバー法に基づく本人確認は不要とされています。
(8)従業員への通知の要否
 マイナンバー法において、個人番号を含む特定個人情報の提 供を受けた使用者等は、従業者等に対し、当該情報の提供を受けたことを通知する義務はありません。したがって、特定個人情報の提供を受けたことの従業者等に対する通知を行うか否かについては、当該情報の提供を受けた事業者において任意に判断して行うことになります。(ガイドライン案パブコメ回答6番)

執筆者:渡邉雅之
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弁護士渡邉雅之
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FATF第4次対日相互審査報告書の公表(日本は重点フォローアップ国に)

2021/08/30

【無料ウェビナー:9月9日(木)午後6時〜】速報解説:FATF第4次対日相互審査報告書

2021年8月30日日本時間午後7時30分に、FATFは第4次対日相互審査報告書を公表しました。
Japan’s measures to combat money laundering and terrorist financing
(対日相互審査報告書:英語)
Mutual-Evaluation-Report-Japan-2021 (pdf, )
(対日相互審査報告書(概要版):英語)
Executive-Summary-Mutual-Evaluation-Report-Japan-2021 (pdf, )

同時に、日本の財務省も対日相互審査報告書の概要版の仮訳と今後3年間の「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」を公表するとともに、「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議の設置について」および「FATF(金融活動作業部会)対日相互審査についての財務大臣談話」を出しています。
FATF(金融活動作業部会)対日相互審査報告書が公表されました
〇対日相互審査報告書の概要版の仮訳
〇マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画
〇マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議の設置について
FATF(金融活動作業部会)対日相互審査についての財務大臣談話

金融庁も同時に公表しています。
FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書の公表について

従前から伝えられていたとおり、日本は今回「重点フォローアップ国」の評価となっています。

「有効性の評価」および「法令等整備状況の評価」は以下のとおりです。
〇有効性の評価
IO.1 リスクの理解_SE
IO.2 国際協力_SE
IO.3 金融機関・DNFBPの監督_ME
IO.4 金融機関・DNFBPの予防措置_ME
IO.5 法人・法的取極の悪用防止_ME
IO.6 金融機密情報の活用_SE
IO.7 マネー・ローンダリングの捜査・訴追・制裁_ME
IO.8 犯罪収益の没収_ME
IO.9 テロ資金供与の捜査・訴追・制裁_ME
IO.10 テロ資金の凍結・NPOの濫用防止_ME
IO.11 拡散金融_ME
注:有効性の評価は、High-HE、Substantial-SE、Moderate-ME、Low-LE。

〇法令等整備状況の評価
1_____ リスク評価とリスクベース・アプローチ_LC
2_____ 国内関係当局間の協力_PC
3_____ 資金洗浄の犯罪化_LC
4_____ 犯罪収益の没収・保全措置_LC
5_____ テロ資金供与の犯罪化_PC
6_____ テロリストの資産凍結_PC
7_____ 大量破壊兵器の拡散に関与する者への金融制裁_PC
8_____ 非営利団体(NPO)の悪用防止_NC
9_____ 金融機関秘密法が勧告実施の障害となることの防止_C
10____ 顧客管理_LC
11____ 本人確認・取引記録の保存記録_LC
12____ PEP(重要な公的地位を有する者)_PC
13____ コルレス銀行業務_LC
14____ 送金サービス提供者の規制_LC
15____ 新技術の悪用防止_LC
16____ 電信送金(送金人・受取人情報の通知義務)_LC
17____ 顧客管理措置の第三者依存_N/A
18____ 金融機関・グループにおける内部管理方針の整備義務、海外支店・現法への勧告の適用_LC
19____ 勧告履行に問題がある国・地域への対応_LC
20____ 金融機関における資金洗浄、テロ資金供与に関する疑わしい取引の届出_LC
21____ 内報禁止及び届出者の保護義務_C
22____ DNFBPにおける顧客管理_PC
23____ DNFBPによる疑わしい取引の報告義務_PC
24____ 法人の実質的所有者_PC
25____ 法的取極の実質的所有者_PC
26____ 金融機関に対する監督義務_LC
27____ 監督当局の権限の確保_LC
28____ DNFBPに対する監督義務_PC
29____ FIUの設置義務_C
30____ 資金洗浄・テロ資金供与の捜査_C
31____ 捜査関係等資料の入手義務_LC
32____ キャッシュ・クーリエ(現金運搬者)への対応_LC
33____ 包括的統計の整備_LC
34____ ガイドラインの策定義務_LC
35____ 義務の不履行に対する制裁措置_LC
36____ 国連諸文書の批准_LC
37____ 法律上の相互援助、国際協力_LC
38____ 法律上の相互援助:凍結及び没収_LC
39____ 犯人引渡_LC
40____ 国際協力(外国当局との情報交換)_LC
注:法令等整備状況の評価は、C-適合、LC-概ね適合、PC-一部適合、NC-不適合。

重点的フォローアップとなるのは、以下の4つの場合です。
1.法令等整備状況の評価について、8以上のNC(不履行)またはPC(一部履行)がある場合
2.法令等整備状況の評価のうち、勧告3(資金洗浄の犯罪化)、勧告5(テロ資金供与の犯罪化)、勧告10(顧客管理)、勧告11(本人確認・取引記録の保存義務)、勧告20(疑わしい取引の届出)のいずれかについて1つ以上のNC(不履行)またはPC(一部履行)がある場合
3.有効性の評価の11のIOのうち、7以上のIOについて、低レベル(LowLevel)または中レベル(ModerateLevel)の評価を受けた場合
4.有効性の評価の11のIOのうち、4以上のIOについて、低レベル(LowLevel)の評価を受けた場合

日本は、�@法令等整備状況の評価(TC)の40項目のうち、PCが10、NCが1なので、上記1に該当するとともに、�A勧告5(テロ資金供与の犯罪化)がPCなので、上記2にも該当します。また、�B有効性の評価(IO)の11項目のうち、MEのIOが8ですので上記3にも該当します。
以上の観点から、重点的フォローアップ国となりました。

第4次相互審査を受けたFATF加盟国の現在までの結果は以下のとおりです。
(通常フォローアップ国)(8か国)・・・イタリア・英国は審査終了
スペイン、イタリア、ポルトガル、イスラエル、英国、ギリシャ、香港、ロシア
(重点フォローアップ国)(19か国)・・・カナダ、米国は審査を終了
ノルウェー、オーストラリア、ベルギー、マレーシア、オーストラリア、カナダ、シンガポール、スイス、米国、スウェーデン、デンマーク、アイルランド、メキシコ、サウジアラビア、中国、フィンランド、韓国、ニュージーランド、日本
(観察対象国)(2か国)
アイスランド、トルコ
※今後の審査予定国
フランス、ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、インド、ブラジル、アルゼンチン

通常フォローアップ国となった場合は、相互審査後3年後にフォローアップ報告をし、5年後にフォローアップ評価がなされます。
重点フォローアップ国となった場合は、5年後のフォローアップ評価の前に3回のフォローアップ報告が必要となります。
観察対象国となった場合は、1年間の観察期間があり、不備事項が再審査され、対応がなされない場合は国名が公表されます(グレーリスト)。

相互審査報告書においては、日本が優先的に取り組むべき行動が以下のとおり記載されています。

a) 金融機関、暗号資産交換業者、DNFBPsがAML/CFTに係る義務を理解し、適時かつ効果的な方法でこれらの義務を導入・実施するようにする。これらにおいては、事業者ごとのリスク評価の導入・実施、リスクベースでの継続的な顧客管理、取引のモニタリング、資産凍結措置の実施、実質的支配者情報の収集と保持を優先する。

b) 前提犯罪の捜査の早い段階でマネロンについて検討することや、より広範な犯罪、特にハイエンドな犯罪収益の入手につながる高リスクの犯罪類型についての第三者によるマネロン(サードパーティー・マネー・ローンダリング)を優先することを含め、より重大な前提犯罪を対象としたマネロン罪の適用を増やす。

c) 警察庁、法務省、検察庁の間で、検察庁の訴追裁量の適用を再検討することを含め、重大なマネロン事案の捜査・訴追の優先度を高めることに合意し、マネロン事案の起訴率を改善するための措置を探求し、マネロン事案の訴追を優先させる政策を実施する。

d) マネロン罪の法定刑の上限を、少なくとも日本で犯罪収益を最も頻繁に生み出す重大な前提犯罪と同水準に引き上げる。

e) 優先リスク分野について、資産の追跡捜査、保全措置及び没収をより優先的に行う。また、犯罪に用いられた道具及び密輸された現金又は持参人払い式の譲渡可能支払手段をより一貫して没収する。

f) リスクベースでのAML/CFT監督を強化する。これには、特定事業者において実施されている予防的措置の評価のためのオフサイト・モニタリングとオンサイト検査の組み合わせについて、その頻度及び包括性を強化することや、金融機関、DNFBPs、暗号資産交換業者による義務履行における肯定的な効果を確保するために、抑止力のある行政処分と是正措置が適用されることを含む。

g) テロ行為との関連性がない場合に、個々のテロリスト又はテロ組織の資金供与が犯罪化されることを確実にし、勧告5の分析で明らかになった日本のテロ資金供与の犯罪化に関するその他の技術的欠陥を是正することを確実にするために、拘束力があり強制力のある方法を採用するか、テロ資金提供処罰法を改正する。

h)

対象者を指定した金融制裁を遅滞なく実施するために必要な更なる改善がなされ、対象者を指定した金融制裁を実施するための全ての自然人及び法人に係る義務が明確でありFATF基準に沿ったものであることを確保する。

i) テロ資金供与に悪用されるリスクがあるNPO等、特にリスクの高い地域で活動しているNPO等についての完全な理解を確保するとともに、リスクに見合ったアウトリーチ、ガイダンス提供、モニタリング又は監督を行う。

j) リスク評価の方法を引き続き改善し、マネロン・テロ資金供与リスクのより包括的な理解を促進する。これには、クロスボーダー・リスクや、法人・法的取極めに関連するリスクに特に焦点を当てることを含む。

k) 法人及び法的取極めに関する基本情報や実質的支配者情報が、日本の規制・監督・捜査の枠組みの一部として確立されるようにすることを確保する。

今後、日本が行う行動計画は、「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」に示されています。

1.マネロン・テロ資金供与・拡散金融に係るリスク認識・協調

(1)国のリスク評価書の刷新

マネロン、テロ資金供与及び拡散金融に対する理解を向上させるため、リスク評価手法の改善等によって、国のリスク評価書である犯罪収益移転危険度調査書を刷新する。
期限:令和3年末

担当官庁:警察庁、財務省、金融庁、法務省、外務省、その他関係省庁

(2)マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議の設置

「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議」を設置し、マネロン、テロ資金供与及び拡散金融対策に係る国の政策を策定・推進する。

期限:実施中

担当官庁:警察庁、財務省、金融庁、法務省、外務省、内閣官房、その他関係省庁

(3)国の政策策定

刷新された犯罪収益移転危険度調査書に基づき、マネロン、テロ資金供与及び拡散金融対策に係る国の政策を策定する。

期限:令和4年春

担当官庁:警察庁、財務省、金融庁、法務省、外務省、内閣官房、その他関係省庁

2.金融機関及び暗号資産交換業者によるマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策及び監督

(1)マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の監督強化

マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する監督当局間の連携の強化、適切な監督態勢の整備するほか、リスクベースでの検査監督等を強化する。

期限:令和4年秋

担当官庁:金融庁、その他金融機関監督官庁

(2)金融機関等のリスク理解向上とリスク評価の実施

マネロン・テロ資金供与対策に関する監督ガイドラインを更新・策定するとともに、マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に係る義務の周知徹底を図ることで、金融機関等のリスク理解を向上させ、適切なリスク評価を実施させる。

期限:令和4年秋

担当官庁:金融庁、その他金融機関監督官庁

(3)金融機関等による継続的顧客管理の完全実施

取引モニタリングの強化を図るとともに、期限を設定して、継続的顧客管理などリスクベースでのマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の強化を図る。

期限:令和6年春

担当官庁:金融庁、その他金融機関監督官庁

(4)取引モニタリングの共同システムの実用化

取引時確認、顧客管理の強化および平準化の観点から、取引スクリーニング、取引モニタリングの共同システムの実用化を図るとともに、政府広報も活用して国民の理解を促進する。

期限:令和6年春

担当官庁:金融庁

3.特定非金融業者及び職業専門家によるマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策及び監督

(1)監督ガイドライン策定・リスクベースの監督強化

マネロン・テロ資金供与対策に関する監督ガイドラインを更新・策定するとともに、適切な監督態勢を整備するほか、リスクベースでの検査監督を強化する。

期限:令和4年秋

担当官庁:警察庁、特定非金融業者及び職業専門家所管行政庁

(2)特定非金融業者及び職業専門家に対するリスク評価・顧客管理強化等

マネロン・テロ資金供与対策義務に関する周知徹底を図り、リスク理解を向上させる。この他、マネロン・テロ資金供与対策の強化の一環として、継続的顧客管理及び厳格な顧客管理措置、疑わしい取引の届出の質の向上に取り組む。

期限:令和4年秋

担当官庁:警察庁、特定非金融業者及び職業専門家所管行政庁
4.法人、信託の悪用防止

(1)法人・信託の悪用防止

法人及び信託がマネロン・テロ資金供与に悪用されることを防ぐため、法人及び信託に関する適切なリスク評価を実施し、リスクの理解を向上させる。

期限:令和4年春

担当官庁:法務省、警察庁

(2)実質的支配者情報の透明性向上

〇全ての特定事業者が、期限を設定して、既存顧客の実質的支配者情報を確認するなど、実質的支配者に関する情報源を強化する。

期限:令和6年春

担当官庁:法務省、警察庁、特定事業者所管行政庁

〇株式会社の申出により、商業登記所が実質的支配者情報を保管し、その旨を証明する制度を今年度中に開始するとともに、実質的支配者情報を一元的に管理する仕組みの構築に向け、関係省庁が連携して利用の促進等の取組みを進める。

期限:令和4年秋

担当官庁:法務省、警察庁、特定事業者所管行政庁

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(3)民事信託・外国信託に関する実質的支配者情報の利用・正確性確保

信託会社に設定・管理されていない民事信託及び外国信託に関する実質的支配者情報を利用可能とし、その正確性を確保するための方策を検討し、実施する。
期限:令和4年秋

担当官庁:法務省、その他関係省庁

(4)法人・信託に関するガイダンス作成

都道府県警や国税庁等の法執行機関向けに、法人及び信託の実質的支配者情報に適時にアクセスするためのガイダンスを作成する。

期限:令和4年秋

担当官庁:警察庁、財務省及びその他関係省庁

(5)特定非金融業者及び職業専門家の顧客管理の実施

全ての特定非金融業者及び職業専門家に実質的支配者情報の確認を含む顧客管理義務の対象とすることを検討し、所要の措置を講じる。

期限:令和4年秋

警察庁、特定非金融業者及び職業専門家所管行政庁

5.マネロン・テロ資金供与の捜査及び訴追等

(1)マネロン罪の法定刑引上げ

組織的犯罪処罰法について検討し、所要の措置を講じる。

期限:令和4年夏

担当官庁:法務省、内閣官房

(2)マネロン罪の捜査・訴追の強化

重大・複雑なマネロンの更なる捜査・訴追や、マネロンの起訴率の向上のため、タスクフォースの設置、各種通達等の発出等を行い、これらを踏まえた捜査・訴追を実施する。

期限:令和4年秋

担当官庁:法務省、警察庁

(3)捜査・没収の強化

犯罪収益や、マネロンに関連する犯罪供用物の押収・没収・追徴を適切に実施するため、リスクが高い分野に関する犯罪収益追跡捜査、没収・追徴及びその保全の積極活用、没収の執行強化を行う。

期限:令和4年秋

担当官庁:法務省、警察庁

(4)税関の対応強化

国境での現金の差し止めを強化するとともに、現金の輸出入情報の警察庁への共有を促進する。

期限:実施中

担当官庁:財務省

(5)テロ資金等提供罪の強化

テロ資金提供処罰法について検討し、所要の措置を講じる。

期限:令和4年夏

担当官庁:法務省、内閣官房

(6)テロ資金等提供罪の捜査・訴追の強化等

テロ資金等提供罪の捜査・訴追に関する関係省庁の連携強化のためのタスクフォースを設置し、テロ資金等提供罪の捜査・訴追に取り組む。

また、テロ資金供与のリスク理解向上のため、当局及び特定事業者への周知を実施する。

期限:令和4年秋

担当官庁:法務省、警察庁、その他関係省庁

6.資産凍結及びNPO

(1)資産凍結措置の範囲の拡大と明確化

制裁対象者に支配される者等の資産凍結を実施するとともに、外為法による資産凍結措置の範囲を告示等により明確にする。また、国際テロリスト財産凍結法についても検討し、所要の措置を講じる。

期限:令和4年夏

担当官庁:
【外為法】

財務省、経済産業省

【国際テロリスト財産凍結法】

内閣官房、警察庁、その他関係省庁

(2)遅滞なき資産凍結

国連安全保障理事会制裁委員会等による資産凍結等の対象となる個人・団体の指定後遅滞なく資産凍結措置を行うため、告示の発出プロセスを迅速化する。

期限:実施中

担当官庁:外務省、財務省、警察庁

(3)特定事業者による資産凍結措置の執行の強化

特定事業者のモニタリングなどにより、第三者が関与する制裁対象者との取引の防止を含め、資産凍結措置の執行を強化する。

期限:令和4年秋

担当官庁:財務省、特定事業者所管行政庁

(4)大量破壊兵器拡散に関わる居住者の資産凍結

国連安全保障理事会決議等で指定された大量破壊兵器拡散に関わる居住者の資産凍結を実施するための法制度の整備について検討し、所要の措置を講じる。

期限:令和4年夏

担当官庁:内閣官房、警察庁、外務省、財務省、経済産業省、その他関係省庁

(5)NPOのリスク評価とモニタリング

NPOがテロ資金供与に悪用されるリスクについて適切に評価を行い、リスクベースでモニタリングを実施する。

期限:令和4年春

担当官庁:内閣府、文部科学省、厚生労働省、外務省、警察庁、財務省

(6)NPOへの周知

高リスク地域で事業を実施するNPOの活動の健全性が維持されるよう、テロ資金供与リスクとテロ資金供与対策の好事例に関する周知を行う。

期限:令和4年春

担当官庁:内閣府、文部科学省、厚生労働省、外務省、警察庁、財務省

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執筆者:渡邉雅之
* 本ニュースに関するご相談などがありましたら、下記にご連絡ください。
弁護士法人三宅法律事務所
弁護士渡邉雅之
TEL 03-5288-1021
FAX 03-5288-1025
Email_m-watanabe@miyake.gr.jp

【仮訳】中国個人情報保護法・中国データセキュリティ法

2021/08/30

下記の逐条解説の誤りを修正いたしました。(2022年1月25日現在)

(改訂版)逐条解説:中国個人情報保護法

※具体的には、36頁・37頁の条文の引用が誤っていました。

(以下の資料を作成いたしましたのでご覧ください)(2021年11月10日現在)
逐条解説:中国個人情報保護法

仮訳:中国個人情報保護法

仮訳:データ越境安全評価弁法(意見募集案)
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�@2021年8月20日に成立し、2021年11月1日に施行される中華人民共和国個人情報保護法、�A2021年6月10日に成立し、2021年9月1日に施行される中華人民共和国データセキュリティ法の仮訳(対訳)を掲載いたします。

(仮訳・対訳)中華人民共和国個人情報保護法

(仮訳・対訳)中華人民共和国データセキュリティ法

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正確性は保証いたしませんがご自由にご利用ください。
下記もご視聴ください。
【無料ウェビナー:9月6日(月)午後6時30分〜】速報解説:中国個人情報保護法・中国データセキュリティ法
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執筆者:渡邉雅之
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【速報】小売・外食企業に影響を与えるプラスチック使用製品の使用の合理化

2021/08/24

 令和3年通常国会で成立・公布(令和3年法律第60号、令和4年4月1日施行予定)された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に関して、令和3年8月23日に開催された『産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会 プラスチック資源循環戦略ワーキンググループ 中央環境審議会 循環型社会部会 プラスチック資源循環小委員会 合同会議(第10回)』において、「政省令・告示の方向性」が示されました。
以下においては、小売・外食企業に特に影響のある「特定プラスチック使用製品提供事業者」の講ずべき事項について説明いたします。

出所:産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会 プラスチック資源循環戦略ワーキンググループ 中央環境審議会 循環型社会部会 プラスチック資源循環小委員会 合同会議(第10回)の「資料1 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令・告示について」

1.事業者の判断の基準となるべき事項(法28条1項)
 主務大臣は、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制するため、主務省令で、その事業において「特定プラスチック使用製品」を提供する事業者(フランチャイジーを有するフランチャイザー(加盟店)(※)を含む)(「特定プラスチック使用製品提供事業者」)が特定プラスチック使用製品の使用の合理化によりプラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制するために取り組むべき措置に関し、当該特定プラスチック使用製品提供事業者の判断の基準となるべき事項を定めるものとする。
(※)法律上、フランチャイザーは「定型的な約款による契約に基づき、当該業種に属する事業を行う者に特定の商標、商号その他の表示を使用させ、商品の販売又は役務の提供に関する方法を指定し、かつ、継続的に経営に関する指導を行う事業を行う者」と定義されている。

(1)特定プラスチック使用製品【政令事項】
 商品の販売又は役務の提供に付随して消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品のうち、提供量が多く使用の合理化の取組によってプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制が見こまれる観点、過剰な使用の削減を促すべき観点、代替素材への転換を促す観点等から、以下を指定する。
〇主としてプラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、櫛、剃刀、シャワー用のキャップ、歯刷子、ハンガー、衣類用のカバー

(2)特定プラスチック使用製品提供事業者の業種【政令事項】
 特定プラスチック使用製品の提供量が多く、使用の合理化を行うことが特に必要な業種として、以下を指定する。(主たる事業が下記の業種に該当しなくても、事業活動の一部で下記の業種に属する事業を行っている場合には、その事業の範囲で対象となる。)
・各種商品小売業、各種食料品小売業、その他の飲食料品小売業、無店舗小売業、宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業、洗濯業

(3)判断の基準【主務省令事項】
�@目標の設定:
 事業において提供する特定プラスチック使用製品の使用の合理化に関する目標を定め、これを達成するための取組を計画的に行うものとする。

�A特定プラスチック使用製品の使用の合理化:
 次に掲げる取組その他の特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組のうち、使用の合理化のために業種や業態の実態に応じて有効な取組を選択し、設定した目標の達成に向けて当該取組を行うことにより、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制するものとする。

【提供方法の工夫】
・消費者にその提供する特定プラスチック使用製品を有償で提供すること
・消費者が商品を購入し又は役務の提供を受ける際にその提供する特定プラスチック使用製品を使用しないように誘引するための手段として景品等を提供(ポイント還元等)すること
・提供する特定プラスチック使用製品について消費者の意思を確認すること
・提供する特定プラスチック使用製品について繰り返し使用を促すこと

【提供する特定プラスチック使用製品の工夫】
・薄肉化又は軽量化等の特定プラスチック使用製品の設計又はその部品若しくは原材料の種類(再生可能資源、再生プラスチック等)について工夫された特定プラスチック使用製品を提供すること
・商品又はサービスに応じて適切な寸法の特定プラスチック使用製品を提供すること
・繰り返し使用が可能な製品を提供すること

�B情報の提供:
 消費者によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制を促進するための情報等について、以下の方法又はその他の措置を講ずることにより情報提供する。
・店頭又はウェブサイトにおいてプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制に資する事項について掲示又は情報発信すること
・提供する特定プラスチック使用製品にプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制の重要性についての表示を付すこと

�C体制の整備等:
 特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組に関する責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その従業員に対し、特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組に関する研修を実施する等の措置を講ずるものとする。

�D安全性等の配慮:
 安全性、機能性その他の必要な事情に配慮するものとする。

�E特定プラスチック使用製品の使用の合理化の実施状況の把握等:
 提供した量並びに特定プラスチック使用製品の使用の合理化のために実施した取組及びその効果を適切に把握し、情報を公開するよう努めるものとする。

�F関係者との連携:
 国、関係地方公共団体、消費者、関係団体及び関係事業者との連携を図るよう配慮するものとする。その際、必要に応じて取引先の協力を求めることとする。
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2.基準の策定・必要な改定(法28条2項〜4項)
 「事業者の判断の基準となるべき事項」(上記1)は、基本方針に即し、かつ、特定プラスチック使用製品の使用の合理化の状況、特定プラスチック使用製品の使用の合理化に関する技術水準その他の事情を勘案して定めるものとし、これらの事情の変動に応じて必要な改定をするものとする。(法28条2項)
主務大臣は、「事業者の判断の基準となるべき事項」を定め、又はその改定をしようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。(法28条3項)
 主務大臣は、「事業者の判断の基準となるべき事項」を定め、又はその改定をしたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。(法28条4項)
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3.指導及び助言(法29条)
 主務大臣は、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制するため必要があると認めるときは、特定プラスチック使用製品提供事業者に対し、「事業者の判断の基準となるべき事項」(上記1)を勘案して、特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制について必要な指導及び助言をすることができる。
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4.勧告及び命令(法30条)
(1)特定プラスチック使用製品多量提供事業者への勧告・命令(法30条1項)
 主務大臣は、特定プラスチック使用製品提供事業者であって、その事業において提供する「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」の特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制の状況が「事業者の判断の基準となるべき事項」に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」に対し、その判断の根拠を示して、特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。
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※「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」の要件【政令事項】
 使用の合理化の取組を促す必要性・実効性・事業規模などを勘案し、多量提供事業者の要件を以下のとおり規定する。
・当該年度の前年度において提供した特定プラスチック使用製品の量が5トン以上であること
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(2)フランチャイザーにおける加盟店の提供する特定プラスチック使用製品の量の勘案(法30条2項)
 上記1の「特定プラスチック使用製品の量」(=当該年度の前年度において提供した特定プラスチック使用製品の量が5トン以上)には、フランチャイジー(加盟店)の事業において提供する特定プラスチック使用製品の量を含む。
※省令において、加盟者の約款の定めについて本部事業者からの指示、助言を受けることその他所要の規定を定めることとされている。
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(3)勧告に従わなかった特定プラスチック使用製品多量提供事業者の公表(法30条3項)
 主務大臣は、上記(1)の勧告を受けた特定プラスチック使用製品多量提供事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
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(4)措置命令(法30条4項、62条、66条)
 主務大臣は、上記(1)の勧告を受けた特定プラスチック使用製品多量提供事業者が、上記(3)の勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制を著しく害すると認めるときは、審議会等で政令で定めるものの意見を聴いて、当該特定プラスチック使用製品多量提供事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 措置命令違反の特定プラスチック使用製品多量提供事業者には、当該違反行為をした者は、50万円以下の罰金に処せられる(法62条)。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、当該違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。(法66条)

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執筆者:渡邉雅之
* 本ニュースに関するご相談などがありましたら、下記にご連絡ください。
弁護士法人三宅法律事務所
弁護士渡邉雅之
TEL 03-5288-1021
FAX 03-5288-1025
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無料ウェビナー(2021年8月18日 (水) 18:00 – 19:30):プライバシーポリシーを見直そう(改正法対応・先行他社事例を研究)

2021/08/11

【ウェビナーの資料】
解説資料:プライバシーポリシーを見直そう (改正法対応・先行他社事例検討)
モデル例:プライバシーポリシー

渡邉雅之弁護士が2021年8月18日(水)18時~19時30分に『プライバシーポリシーを見直そう(改正法対応・先行他社事例を研究)』と題する講演を行います。お申込みは下記のPeatixのページでお願いします。

プライバシーポリシーを見直そう(改正法対応・先行他社事例を研究)

2022年(令和4年)4月1日に施行される令和2年改正個人情報保護法については、政令・規則・ガイドラインまで出そろいました。

本ウェビナーにおいては、プライバシーポリシー(個人情報保護宣言)に絞って、令和2年改正法への対応について解説いたします。
その際には、既に改正法対応済みの他社事例の研究もいたします。

【解説のポイント】
1.改正法で追加するポイント
�@利用目的の明確化
�A法人の住所・代表者の氏名(共同利用の場合も)
�B安全管理措置(委託先管理も対象に。クラウドサービスの安全管理措置も対象になり得る。)
�C外国の第三者への提供に関する情報提供(LINE問題も踏まえて)
�D行動ターゲティング広告への対応・Cookieポリシー等
2.どこまで書き込むか?(本人からの照会に応じた回答による回答も可)
3.他社事例の研究

※2021年9月14日午前0時(深夜)から下記の英語ウェビナーを実施いたします。
Free Webinar (September 14 (Tue) 12AM-2AM): How to cope with the amended Japan’s Personal Information Protection Act
お申込みは下記からお願いします。
Entry Form

※2021年8月10日に実施した関連ウェビナーの動画と解説資料を掲載いたします。
(動画)
動画:改正個人個人情報保護法ガイドラインのパブコメ回答を分析
(解説資料)
改正個人情報保護法ガイドラインのパブコメ回答を分析
(Q&A・モデル規程)
【改正個人情報保護法】Q&A・モデル規程集(令和2年改正法・令和3年改正法・ガイドライン改正案反映)(2021年8月6日版)

※Youtubeにて同時配信いたします。
あたらしい法律情報_弁護士:渡邉雅之のライブ配信
※解説資料をウェビナーの開始前に本ページおよび弁護士法人三宅法律事務所のホームページに掲載いたします。
※事務所主催のセミナーではなく、渡邉雅之弁護士が個人で開催するセミナーであることにご留意ください。
※弁護士・コンサルタントなど同業者の方もご視聴いただいて構いません!

【改正個人情報保護法】Q&A・モデル規程集(令和2年改正法・令和3年改正法・ガイドライン改正案反映)(2021年8月6日版)

2021/08/06

個人情報保護委員会が令和3年8月2日に公表した『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編、外国にある第三者への提供編、第三者提供時の確認・記録義務編及び匿名加工情報編)の一部を改正する告示」等に関する意見募集の結果について』(同日に令和2年改正法に関する改正ガイドライン等が公布)及び個人情報保護委員会が同年8月4日に公表した『令和3年改正個人情報保護法 政令・規則・民間部門ガイドライン案について』(令和3年改正法に関する改正政令・改正規則・改正ガイドラインのパブリックコメント)(令和3年9月6日19時意見締切)の内容を盛り込んだQ&Aおよびモデル規程集を掲載いたします。
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執筆者:渡邉雅之
* 本ニュースレターに関するご相談などがありましたら、下記にご連絡ください。
弁護士法人三宅法律事務所
弁護士渡邉雅之
TEL 03-5288-1021
FAX 03-5288-1025
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【Q&A】_
Q&A改正個人情報保護法(2021年8月6日版)

Q&A改正個人情報保護法(2021年8月6日版)(2021年7月16日版からの修正履歴付)

※以下モデル規程は自由にご利用いただいて結構です。
【モデル規程】
(個人情報保護方針)
個人情報保護指針(2021年8月6日版)(クリーン版)

個人情報保護指針(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正付)

(個人情報取扱規程)
個人情報取扱規程(2021年8月6日版)(クリーン版)

個人情報取扱規程(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正履歴付)

 別紙1 個人データの運用状況記録票

 別紙2 個人情報管理台帳

 別紙3 モニタリングシート

 別紙4 入退室管理簿・鍵貸出管理台帳

 別紙5 個人データ持ち運び記録簿

 別紙6 「適切かつ合理的な方法」等

 別紙7 保有個人データ開示等請求書

 別紙8 委任状

 別紙9 保有個人データ開示等決定書

 別紙10 保有個人データ不開示等決定書

(情報漏えい事案等対応手続)
情報漏えい事案等対応手続(2021年8月6日版)(クリーン版)

情報漏えい事案等対応手続(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正履歴付)

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Q&A改正個人情報保護法Q&A(2021年7月16日版)

2021/07/16

(2021年8月6日更新)
個人情報保護委員会が令和3年8月2日に公表した『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編、外国にある第三者への提供編、第三者提供時の確認・記録義務編及び匿名加工情報編)の一部を改正する告示」等に関する意見募集の結果について』(同日に令和2年改正法に関する改正ガイドライン等が公布)及び個人情報保護委員会が同年8月4日に公表した『令和3年改正個人情報保護法 政令・規則・民間部門ガイドライン案について』(令和3年改正法に関する改正政令・改正規則・改正ガイドラインのパブリックコメント)(令和3年9月6日19時意見締切)の内容を盛り込んだQ&Aおよびモデル規程集を掲載いたします。
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執筆者:渡邉雅之
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弁護士渡邉雅之
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【Q&A】_
Q&A改正個人情報保護法(2021年8月6日版)

Q&A改正個人情報保護法(2021年8月6日版)(2021年7月16日版からの修正履歴付)

【モデル規程】
(個人情報保護方針)
個人情報保護指針(2021年8月6日版)(クリーン版)

個人情報保護指針(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正付)

(個人情報取扱規程)
個人情報取扱規程(2021年8月6日版)(クリーン版)

個人情報取扱規程(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正履歴付)

 別紙1 個人データの運用状況記録票

 別紙2 個人情報管理台帳

 別紙3 モニタリングシート

 別紙4 入退室管理簿・鍵貸出管理台帳

 別紙5 個人データ持ち運び記録簿

 別紙6 「適切かつ合理的な方法」等

 別紙7 保有個人データ開示等請求書

 別紙8 委任状

 別紙9 保有個人データ開示等決定書

 別紙10 保有個人データ不開示等決定書

(情報漏えい事案等対応手続)
情報漏えい事案等対応手続(2021年8月6日版)(クリーン版)

情報漏えい事案等対応手続(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正履歴付)

—————-
(2021年7月16日)
令和2年改正法・令和3年改正法に基づく改正個人情報保護法のQ&Aを掲載いたします。(前回6月7日に掲載したものからの変更点も示しています。)
※今回は条文の引用の修正のほか、マイナンバー法関連の改正に関しても追加しています。

【Q&A】
Q&A改正個人情報保護法(2021年7月16日版)(クリーン版)
Q&A改正個人情報保護法(2021年7月16日版)(2021年6月7日からの変更点を示した修正履歴付)

改正法の動画解説・解説資料・モデル規程もご覧ください(2021年7月16日現在)。
【動画解説】令和2年改正法・令和3年改正法対応の個人情報保護法/マイナンバー法関連の規程集(プライバシーポリシー・取扱規程等)
【解説資料】令和2年改正法・令和3年改正法対応の個人情報保護法/マイナンバー法関連の規程集(プライバシーポリシー・取扱規程等)

個人情報保護方針/プライバシーポリシー

個人情報取扱規程
別紙1 個人データの運用状況記録票
別紙2 個人情報管理台帳
別紙3 モニタリングシート
別紙4 入退室管理簿・鍵貸出管理台帳
別紙5 個人データ持ち運び記録簿
別紙6 「適切かつ合理的な方法」、「相当措置」、「第三者による相当措置の継続的な実施を確保するために必要な措置」、及び「本人の求めに応じて提供する当該必要な措置に関する情報」
別紙7 保有個人データ開示等請求書
別紙8  委任状
別紙9 保有個人データ開示等決定書
別紙10 保有個人データ不開示等決定書

情報漏えい事案等対応手続

(参考)
仮訳:標準契約条項(Standard Contractual Clauses (SCCs))
仮訳:標準契約条項(パブコメ案からの修正履歴付)

【規程集モデル例・動画解説・解説資料】令和2年改正法・令和3年改正法対応の個人情報保護法/マイナンバー法関連の規程集(プライバシーポリシー・取扱規程等)

2021/07/14

(2021年8月6日更新)
個人情報保護委員会が令和3年8月2日に公表した『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編、外国にある第三者への提供編、第三者提供時の確認・記録義務編及び匿名加工情報編)の一部を改正する告示」等に関する意見募集の結果について』(同日に令和2年改正法に関する改正ガイドライン等が公布)及び個人情報保護委員会が同年8月4日に公表した『令和3年改正個人情報保護法 政令・規則・民間部門ガイドライン案について』(令和3年改正法に関する改正政令・改正規則・改正ガイドラインのパブリックコメント)(令和3年9月6日19時意見締切)の内容を盛り込んだQ&Aおよびモデル規程集を掲載いたします。
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執筆者:渡邉雅之
* 本ニュースレターに関するご相談などがありましたら、下記にご連絡ください。
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弁護士渡邉雅之
TEL 03-5288-1021
FAX 03-5288-1025
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【Q&A】_
Q&A改正個人情報保護法(2021年8月6日版)

Q&A改正個人情報保護法(2021年8月6日版)(2021年7月16日版からの修正履歴付)

【モデル規程】
(個人情報保護方針)
個人情報保護指針(2021年8月6日版)(クリーン版)

個人情報保護指針(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正付)

(個人情報取扱規程)
個人情報取扱規程(2021年8月6日版)(クリーン版)

個人情報取扱規程(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正履歴付)

 別紙1 個人データの運用状況記録票

 別紙2 個人情報管理台帳

 別紙3 モニタリングシート

 別紙4 入退室管理簿・鍵貸出管理台帳

 別紙5 個人データ持ち運び記録簿

 別紙6 「適切かつ合理的な方法」等

 別紙7 保有個人データ開示等請求書

 別紙8 委任状

 別紙9 保有個人データ開示等決定書

 別紙10 保有個人データ不開示等決定書

(情報漏えい事案等対応手続)
情報漏えい事案等対応手続(2021年8月6日版)(クリーン版)

情報漏えい事案等対応手続(2021年8月6日版)(2021年7月14日版からの修正履歴付)

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7月14日(水)18時~20時に開催した無料ウェビナー『改正個人情報保護法・マイナンバー法(令和2年・3年改正)対応のプライバシーポリシー・規程類のつくり方・改正最新情報』の規程モデル例・動画解説・解説資料を掲載いたします。

【動画解説】令和2年改正法・令和3年改正法対応の個人情報保護法/マイナンバー法関連の規程集(プライバシーポリシー・取扱規程等)
【解説資料】令和2年改正法・令和3年改正法対応の個人情報保護法/マイナンバー法関連の規程集(プライバシーポリシー・取扱規程等)

【規程モデル例】(2021年7月16日現在)
個人情報保護方針/プライバシーポリシー

個人情報取扱規程
別紙1 個人データの運用状況記録票
別紙2 個人情報管理台帳
別紙3 モニタリングシート
別紙4 入退室管理簿・鍵貸出管理台帳
別紙5 個人データ持ち運び記録簿
別紙6 「適切かつ合理的な方法」、「相当措置」、「第三者による相当措置の継続的な実施を確保するために必要な措置」、及び「本人の求めに応じて提供する当該必要な措置に関する情報」
別紙7 保有個人データ開示等請求書
別紙8  委任状
別紙9 保有個人データ開示等決定書
別紙10 保有個人データ不開示等決定書

情報漏えい事案等対応手続

仮訳:標準契約条項(Standard Contractual Clauses (SCCs))
仮訳:標準契約条項(パブコメ案からの修正履歴付)

【Q&A】
Q&A改正個人情報保護法(2021年7月16日版)(クリーン版)
Q&A改正個人情報保護法(2021年7月16日版)(2021年6月7日からの変更点を示した修正履歴付)

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