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【動画解説・動画資料】2026事務年度 金融行政方針 金融庁は今年、何を見るのか~預金取扱金融機関を中心に(金融犯罪対策・FATF第5次審査・ALM・サイバー・AI)

2026/09/22

【動画解説】2026事務年度 金融行政方針 金融庁は今年、何を見るのか~預金取扱金融機関を中心に(外部YouTube)
【動画資料】2026事務年度 金融行政方針 金融庁は今年、何を見るのか~預金取扱金融機関を中心に(PDFファイル)

【お問い合わせ】
本件に関するご相談は、弁護士法人三宅法律事務所 弁護士 渡邉雅之(TEL 03-5288-1021/m-watanabe@miyake.gr.jp)までお願いいたします。

※本動画及び資料は、2026年9月15日に金融庁が公表した「2026事務年度 金融行政方針」及び同「主なポイント」に基づき、金融機関の対応方針を整理したものです。金融行政方針は当局の監督・モニタリングの方針であり、法令そのものではありません。

【説明】
2026年9月15日、金融庁は「2026事務年度 金融行政方針」を公表しました。本方針は、7月に策定された「成長投資を促進するための金融戦略 - 資産運用立国のアップグレード -」との重複を避け、補完が必要な項目を中心に作成されています。成長投資や資産運用立国の記述が目立ちますが、金融機関の実務に直結するのは、「金融システムの安定や市場の公正性・透明性を確保する」の章に置かれた監督・検査上の重点です。

本動画では、預金取扱金融機関を中心に、方針の内容を根拠条文に即して解説します。具体的には、

・3本柱と、金融戦略とセットで読むべき理由
・今事務年度の日程 ― 企業価値担保権、改正金商法・資金決済法(2026年7月15日成立)、詐欺被害拡大防止の緊急対策(7月28日)、暗号資産交換業者への要請(8月)
・当局発信の読み方 ― 情報提供・注意喚起・要請と、報告徴求(銀行法24条1項)・立入検査(同25条1項)・業務改善命令(同26条1項)の関係
・監督局の二局体制と、監督総括審議官の下での横断モニタリング、当局によるAI活用(AX)
・金利上昇下のALM・流動性と、預金獲得競争(銀行法14条の2)
・不動産・大口与信・データセンター向けプロジェクトファイナンスの期中管理(銀行法13条1項)
・NBFI・プライベートアセットと、日本銀行との共同データプラットフォーム
・不正事案の真因分析 ― 経営陣の姿勢・組織文化・内部牽制(銀行法53条1項、会社法362条4項6号)
・内部監査の高度化と、地域金融機関における共同化の検討
・サードパーティリスク(銀行法12条の2第2項、同施行規則13条の6の8、個人情報保護法25条・28条)
・サイバーセキュリティと、耐量子計算機暗号(PQC)への移行
・AIの健全な利活用とガバナンス(個人情報保護法17条・27条・28条、金融サービス提供法2条1項)
・AML・特殊詐欺・口座不正利用・暗号資産・不正アクセスの統合と、方針が明記した6項目
・特殊詐欺・口座不正利用 ― 検知・凍結・共有・救済(振り込め詐欺救済法3条1項、犯罪収益移転防止法4条・8条)
・インターネット取引の5つの態勢 ― 認証・不正検知・取引モニタリング・顧客連絡・被害発生後対応
・アクセス環境から再評価までの「一連の流れ」の実効性
・FATF第5次対日相互審査 ― 規程の整備から有効性の説明へ(犯罪収益移転防止法11条、外為法17条・18条)
・新型預金・超長期住宅ローンの販売と説明(銀行法12条の2第1項、同施行規則13条の3・13条の7、同法13条の4)
・災害・高齢者・障がい者・外国人への対応(障害者差別解消法8条2項)
・地域金融力と企業価値担保権・経営者保証
・証券・保険・資金移動業・暗号資産交換業・通信流通系グループの重点
・よくある誤解と、今年のチェックリスト

を整理します。

本動画で最もお伝えしたいのは、これまで個別に進んできた「AML」「特殊詐欺対策」「口座不正利用」「暗号資産」「不正アクセス」が、金融庁の監督上、一つの金融犯罪対策として統合されつつあるという点です。方針は、以下の6項目を明記しました。
①不正利用口座に係る預金取扱金融機関間の情報共有
②口座の不正利用の早期検知・迅速な凍結
③デビットカード不正利用の実態把握
④暗号資産交換業者への8月要請の履行確認
⑤新規口座開設直後にアンホステッド・ウォレットへ暗号資産を移転できないようにする一定の「熟慮期間」等の制度対応
⑥インターネット取引における認証・不正検知・取引モニタリング・顧客連絡・被害発生後対応の確認
そのうえで、FATF第5次対日相互審査が間近であることを踏まえ、AML態勢の一層の高度化を促すとしています。

金融機関に求められるのは、疑わしい取引の届出件数を示すことではありません。アクセス環境→取引→アラート→顧客確認→凍結・制限→届出→再評価までの一連の流れについて、実効性を説明できる態勢です。とりわけ、再評価の結果をリスク評価書やシナリオに戻す循環があるかどうかが、リスクベース・アプローチが機能しているかの分かれ目になります。

もう一点、着手の時期についてです。FATF第5次審査の日程は方針に記載されておらず、「間近に迫っている」とされているのみです。リスク評価書の更新、実績データの整備、経営陣・営業店の想定問答は、いずれも現行の犯罪収益移転防止法とマネロン・テロ資金供与対策ガイドラインの下で求められている取組であり、日程の公表を待つ必要はありません。部署ごとに分かれた金融犯罪対策を一本の流れとして説明できるかを、今のうちに点検しておくことをお勧めします。

【主な参照資料】
金融庁「2026事務年度 金融行政方針」及び「主なポイント」(2026年9月15日)
・「成長投資を促進するための金融戦略 - 資産運用立国のアップグレード -」(2026年7月)
・金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(2026年7月15日成立)
・犯罪対策閣僚会議「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」(2025年4月22日)
・犯罪対策閣僚会議「詐欺及びストーカー被害拡大防止のための緊急対策」(2026年7月28日)
・金融庁「暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について」(2026年8月6日)
・金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」
・金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」(2024年10月)
・金融庁「AIディスカッションペーパー(第1.1版)」(2026年3月3日)
・銀行法(昭和56年法律第59号)、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(平成19年法律第133号)、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)、事業性融資の推進等に関する法律(令和6年法律第52号)
・出典ページ:https://www.fsa.go.jp/news/r8/202609/260915.html

※個別案件については、業態、規模、顧客層、取引チャネル、既存のAML/CFT態勢や監督当局との対話状況等を踏まえた検討が必要です。

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