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『TwitterやFacebookを安心して利用してもらうために 〜ソーシャルメディアポリシーとガイドライン〜』

2013/05/27

(執筆者:弁護士 竹田千穂)

【Q.】
近年、ソーシャルメディアポリシーやガイドラインを策定する企業が増えていると聞きました。当社でもFacebookを個人的に使っている従業員がおり、策定を考えています。策定の際の注意点はありますか。_

【A.】
1.ソーシャルメディアとは
「ソーシャルメディア」とは、Facebook、YouTube、Twitter、ブログなど、インターネットやウェブ技術を使用して個人の発信をもとに、不特定多数のユーザーがコミュニケーションを行うことが可能なメディアをいいます。近年、企業がソーシャルメディアを活用して広告等を行い、商品の認知や集客に大きな効果を上げている例も見られます。

2.ソーシャルメディアポリシー及び同ガイドライン策定の目的・必要性
一方、企業の広報部等のみならず個人によるソーシャルメディアの利用が増加したことで、従業員等が個人アカウントにて顧客の個人情報を漏えいするなど、企業の価値を低下させる事態も起こるようになりました。そのため企業には、ソーシャルメディアに不慣れな従業員でも安心して適切に利用でき、その利用が企業価値の向上に資するよう、対策を取ることが求められています。具体的には、ソーシャルメディアの利用に対する企業の方針を記載したポリシーや、利用時の注意点等を記載したガイドラインを策定するとともに、適用対象となる従業員等に研修を行うなどして周知徹底させる必要があります。
なお、個人アカウントでの利用を前提としたガイドラインのほかに、企業の公式アカウント利用についても、運用担当者向けのルールを別途策定しておいた方がよいでしょう。

3.ガイドラインへの記載事項
記載事項に決まりがあるわけではありませんが、少なくとも次のような事項は記載しておくとよいでしょう。
○営業秘密の保護(企業の営業秘密を第三者に漏えいすること等の禁止)
○個人情報の保護(個人情報保護法や社内規程等を遵守すること)
○著作権法等の知的財産権法の遵守、誹謗中傷の禁止(特定の個人や団体への名誉棄損や差別的表現の禁止。特定の思想、信条、宗教、政治等に関する攻撃的、差別的表現を差し控えること)
○責任の明記(個人アカウントにおける発言に対する自己責任の明確化と、所属する企業とは何ら関係ないことの表明)
○デジタルツールとしての特質の理解(一度発信した情報は瞬時に伝達され、完全には消去できない性格のものであることを理解し、表現には細心の注意を払うこと) 等
そして、ガイドラインの策定にあたっては、適用対象である従業員等が容易に理解し、安心して活用できるように、平易な表現を用い、具体例を記載するなどの工夫が必要になります。また、ガイドラインから逸脱した投稿があるかの調査や対処方法などについても、社内体制を整えておくべきでしょう。

4.公式アカウントの運用担当者向けルールへの記載事項
企業のウェブサイトなどで公式アカウントを公表するとともに、運用担当者向けのルールにはソーシャルメディアを利用する際の基本方針のほか、コメントに対する対応方法、投稿内容を訂正する必要が生じた場合の対処方法、パスワードの管理方法などを記載しておく必要があります。

5.おわりに
ガイドライン等を公開している企業もありますので、策定する場合には参考にしてください。また、ポリシーやガイドラインを策定するまでには至らない場合でも、従業員等に対して注意喚起することをお勧めします。_

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