国土交通省は、宅地建物取引業者向けの「不動産の売買における疑わしい取引の参考事例」を改定し、21事例から44事例に拡充します。改定案は令和8年9月3日付の事務連絡(別紙2)で示されており、10月を目処に通知・施行される予定です。業界団体で構成する協議会が作成する「疑わしい取引の届出に関するチェックリスト」にも反映されます。改定案では、暗号資産を用いた取引の希望、資金洗浄・テロ資金供与対策に非協力的な国・地域に拠点を置く者との取引、外国PEPsとの取引などが新たに加わり、「外国との取引に着目した事例」という分類も新設されています。
令和7年の疑わしい取引の届出件数は全体で101万9,405件でしたが、このうち宅地建物取引業者からの届出は144件(約0.014%)にとどまります。令和10年(2028年)夏にはFATF第5次対日相互審査が予定されており、金融機関と、不動産業者などの指定非金融業者・職業専門家(DNFBPs)とが別枠で審査されます。
国土交通省は、チェックリストに一つでも該当する場合や、該当するか判断に迷う場合には届出を行うよう求めています。あわせて、届出を行ったうえで契約を締結しても犯罪収益移転防止法違反とはならないこと、自社の判断で契約に至らなかった案件でも届出が必要であることを明らかにしています。他方で、届出を行おうとすること、または行ったことを顧客等に漏らすことは禁止されています(同法8条4項)。
本動画では、次の点を整理しています。
① 参考事例の改定案の全体像(21→44事例、分類の見直し)と公表の経緯
② 宅建業者の届出が少ない背景と、FATF第5次対日相互審査
③ 新たな着眼点(暗号資産・外国とのつながり・法人と物件の不整合・相手方仲介業者の不自然さ)
④ 「一つでも該当すれば届出」の法的な意味(犯罪収益移転防止法8条1項・2項、是正命令・罰則)と、現場の3つの誤解
⑤ 架空事例による参考事例へのあてはめ
⑥ 関連する規制(4省庁要請、外為法上の報告、リスク評価書、令和9年4月からの本人確認方法の見直し)と、立場別の実務対応
動画解説(約15分)
▶ https://youtube.com/live/mQpASOn49w4
※動画は外部サイト(YouTube)にて公開しています。
動画資料(PDF)
📄 https://www.miyake.gr.jp/wp-content/uploads/2026/10/不動産マネロン届出_チェックリスト改定_15分.pdf
弁護士法人三宅法律事務所 パートナー弁護士 渡邉 雅之
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