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4月1日から情報公表義務が拡大!女性活躍推進法の改正

2026/03/17

(執筆者:弁護士 渡辺海成)

【Q.】
令和8年4月1日に施行される女性活躍推進法の改正法により、「女性の職業選択に資する情報」の公表必須項目が拡大すると聞きました。同法の改正内容について教えてください。

【A.】
1.はじめに
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(以下「法」という)第20条並びに同法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令(以下「省令」といい、「法」と「省令」を併せて「法令」という)第19条及び同20条は、求職者等の企業選択に資する情報を提供するため、従業員数301人以上の企業と、101人以上300人以下の企業とに区別し、企業規模ごとに女性の職業選択に資する情報の公表を義務付けています。
令和7年6月4日に同法の改正法が成立し、女性の職業選択に資する情報公表の必須項目が拡大することになりましたので、本稿では、令和8年4月1日に施行される改正法の概要と事業者に求められる対応について説明いたします。

2.情報公表の必須項目
これまで、従業員数301人以上の企業については、①労働者の男女の賃金の額の差異(以下「男女間賃金差異」という)、③女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績(次ページ<③の項目>の7項目から、1項目以上)、④職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績(次ページ<④の項目>の7項目から、1項目以上)の項目の情報公表が義務付けられていました。今回の改正により、これらに加えて新たに、②管理的地位にある職員に占める女性職員の割合(以下「女性管理職比率」という)の項目の情報公表が義務付けられることになりました。
また、従業員数101人以上300人以下の企業についても、これまでは③または④の14項目から1項目以上の情報公表が義務付けられていましたが、本改正により、これらに加えて新たに、①と②の項目の情報公表が義務付けられることになりました。
これらの本改正による変更点をまとめたものが、下記の図表<情報公表の必須項目の拡大>になります。

<情報公表の必須項目の拡大>


出所:厚生労働省「改正女性活躍推進法等のポイント」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001663919.pdf)を一部加工して使用

<③の項目>
③女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績(改正法20条1項3号・省令19条1項3号)
〇採用した労働者に占める女性労働者の割合
〇男女別の採用における競争倍率
〇雇用する労働者及び派遣労働者に占める女性労働者の割合
〇係長級にある者に占める女性労働者の割合
〇役員に占める女性の割合
〇男女別の職種の転換または雇用形態の転換及び派遣労働者の雇入れの実績
〇男女別の再雇用(通常の労働者として雇い入れる場合)または中途採用(おおむね30歳以上の者を通常の労働者として雇い入れる場合)の実績

<④の項目>
④職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績(改正法20条1項4号・省令19条1項4号)
〇雇用する労働者(期間の定めのない労働契約を締結している労働者に限る)の男女の平均継続勤務年数の差異
〇男女別の継続雇用割合
〇男女別の育児休業取得率
〇労働者一人当たりの時間外労働及び休日労働の一月当たりの合計時間
〇雇用管理区分ごとの労働者及び派遣労働者一人当たりの時間外労働及び休日労働の一月当たりの合計時間
〇有給休暇取得率
〇雇用管理区分ごとの有給休暇取得率

3.事業者に求められる対応
事業者には、令和8年4月1日以降、改正法に基づく女性の職業選択に資する情報公表の対応が求められます。また、そのタイミングとしては、令和8年4月1日以降に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3カ月以内に公表する必要があるとされています(例えば、令和8年4月末に事業年度が終了する企業は、おおむね令和8年7月末日までに公表)。
そして、情報公表が義務付けられている項目について、その公表される情報は、当然ですが、法令に適合するものでなければなりません。この点、新設された「②女性管理職比率」の項目について、管理職比率の算出における「管理職」とは、「課長級」と「課長級の上位の役職(役員を除く)」の合計とされています。また、「①男女間賃金差異」の項目については、令和4年7月8日雇均発0708第2号厚生労働省雇用環境・均等局長通達「男女の賃金の差異の算出及び公表の方法について」が発せられており、同通達が示す方法により算出・公表しなければ、法に基づく情報公表を行ったことにはならないとされています。
情報公表の必須項目にはこのように少々細かいルールがありますので、情報公表の対応を進めるにあたっては、一度、前述の「改正女性活躍推進法等のポイント」や上記の局長通達、その他情報公表に関する厚労省のホームページをご確認いただくことをお勧めします。また、ほかにも情報公表の方法等につき疑義が生じた場合には、必要に応じて専門家にもご相談いただきながら対応を進めていくことをお勧めします。

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