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2017.12.04
NEWS

【FinTech】仮想通貨に関する所得の計算方法に関するQ&A

【執筆者:渡邉雅之
(連載)
【FinTech】仮想通貨に関する所得の計算方法に関するQ&A
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2017年(平成29年)12月1日に国税庁から、『仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)』(以下「仮想通貨所得計算Q&A」といいます。)が公表されました。
国税庁からは、2017年4月1日に公表された「
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」において、ビットコインを使用することにより生じた利益は、所得税の対象となること、ビットコインを使用することにより生じる損益は、原則として雑所得とされることが示されておりましたが、ビットコイン以外の仮想通貨の取扱いや具体的事例は示されていませんでした。

仮想通貨所得計算Q&Aにおいては、まず、「
ビットコインをはじめとする仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。」と記載されており、ビットコイン以外の仮想通貨の売却・使用により生じる利益も、原則として雑所得とすることが示されました。

仮想通貨所得計算Q&Aにおいては、以下の9つの論点について具体的な事例と回答が示されています。

1 仮想通貨の売却
2 仮想通貨での商品の購入
3 仮想通貨と仮想通貨の交換
4 仮想通貨の取得価額
5 仮想通貨の分裂(分岐)
6 仮想通貨に関する所得の所得区分
7 損失の取扱い
8 仮想通貨の証拠金取引
9 仮想通貨のマイニング等

「1 仮想通貨の売却」では、保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合、その売却価額と仮想通貨 の取得価額との差額が所得金額となるとされています。

「2 仮想通貨での商品の購入 」では、保有する仮想通貨を商品購入の際の決済に使用した場合、その使用時点での商 品価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となるとされています。

「3 仮想通貨と仮想通貨の交換」では、保有する仮想通貨を他の仮想通貨を購入する際の決済に使用した場合、その使用時点での他の仮想通貨の時価(購入価額)と保有する仮想通貨の取得価額との差額が、所得金額となるとされています。

「4 仮想通貨の取得価額」においては、「同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額 の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(ただし、継続して適用 することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)。」とされています。

「5 仮想通貨の分裂(分岐)」においては、所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点におけ る時価を基にして所得金額を計算するところ、仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨 については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられるので、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は 使用した時点において所得が生じることとなるとして、その場合の取得価額は0円となるとされています。

「6 仮想通貨に関する所得の所得区分 」においては、 ①ビットコインをはじめとする仮想通貨を使用することによる損益は、事業所得 等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されることとしているが、②例えば、事業所得者が、事業用資産として ビットコインを保有し、決済手段として使用している場合、その使用により生じ た損益については、事業に付随して生じた所得と考えられるので、その所得区 分は事業所得となるとされています。 このほか、③例えば、その収入によって生計を立てていることが客観的に明らかであるなど、その仮想通貨取引が事業として行われていると認められる場合にも、 その所得区分は事業所得となるとされています。

7 損失の取扱い」においては、雑所得の金額の計算上生じた損失については、雑所得以外の他の所得と通算す ることはでず、 その所得の金額の計算上生じた損失がある場合であっても、他の所得と通算する ことはできないとされています。

 「8 仮想通貨の証拠金取引」においては、  仮想通貨の証拠金取引による所得については、申告分離課税の適用はないので、総合課税により申告することとされています。

9 仮想通貨のマイニング等 」においては、①いわゆる「マイニング」(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得 は、事業所得又は雑所得の対象となること、② この場合の所得金額は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取 得時点での時価)から、必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いて計算 すること、③マイニング等により取得した仮想通貨を売却又は使用した場合の所得計算における取得価額は、仮想通貨をマイニング等により取得した時点での時価となること、が示されています。

仮想通貨計算Q&Aでは、以上のとおり、仮想通貨の所得税法上の取扱いについて明確化されました。

なお、消費税法施行令の改正により、2017年7月1日施行の改正により、仮想通貨は支払手段の扱いとなり、プリペイドカードや電子マネーなどの「前払式支払手段」と同様に、二重課税を防ぐため、消費税は非課税とされることになりました。



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