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2016.05.01
NEWS

改正個人情報保護法ニュース⑫:国境を越えた個人情報の取扱いに対する適用範囲

(執筆者 渡邉雅之
改正個人情報保護法ニュース①:改正の概要とスケジュール

改正個人情報保護法ニュース②:要配慮個人情報の取得制限と本人確認書類の取得に際しての実務上の影響
改正個人情報保護法ニュース③:EUのデータ保護指令の要請による改正
改正個人情報保護法ニュース④:匿名加工情報(ビックデータ)に関する改正
改正個人情報保護法ニュース⑤:個人情報の定義の拡充
改正個人情報保護法ニュース⑥:利用目的の制限の緩和
改正個人情報保護法ニュース⑦:要配慮個人情報と機微情報(センシティブ情報)
改正個人情報保護法ニュース⑧:第三者提供に係る確認及び記録の作成の義務付け
改正個人情報保護法ニュース⑨:不正な利益を図る目的による個人情報データベース提供罪の新設
改正個人情報保護法ニュース⑩:オプトアウトの要件の厳格化
改正個人情報保護法ニュース⑪:外国にある第三者への提供の制限

今回は改正個人情報保護法において新たに設けられる『国境を越えた個人情報の取扱いに対する適用範囲』(改正個人情報保護法75条)について解説いたします。

〇改正の背景
近時、インターネット等を通じて、日本国外から、日本国内にある消費者に向けて、商品やサービス(役務)を提供する事業者が増えてきております。
しかしながら、現在の個人情報保護法は、日本国内においてのみ効力があると考えられており、このように国外から国境を越えて商品・サービスを提供する事業者に対しては効力がないと考えられております。
このような状況下では、日本国内の消費者(個人)の個人情報が濫用的に扱われてしまうおそれがあります。
そこで、日本国外から商品・サービスを提供する事業者に対しても、個人情報保護法上の個人情報取扱事業者としての規律を適用しようというのが改正の目的です。

〇改正内容(改正個人情報保護法75条)
以下の規定は、国内にある者に対する物品または役務の提供に関連してその者を本人とする個人情報を取得した個人情報取扱事業者(海外事業者)が、外国において当該個人情報または当該個人情報を用いて作成した匿名個人情報を取り扱う場合にも適用されることになります。
✓利用目的の特定(15条)
✓利用目的による制限(16条)
✓取得に際しての利用目的の通知・公表(18条1項)
✓データ内容の正確性の確保等(19条)
✓安全管理措置(20条)
✓従業者の監督(21条)
✓委託先の監督(22条)
✓第三者提供(23条)
✓外国にある第三者への提供の制限(24条)
✓第三者提供に係る記録の作成等(25条)
✓保有個人データに関する事項の公表等(27条)
✓保有個人データの開示(28条)
✓保有個人データの訂正等(29条)
✓保有個人データの利用停止等(30条)
✓利用の停止等(31条)
✓開示等の請求等に応じる手続(32条)
✓手数料(33条)
✓事前の請求(34条)
✓個人情報取扱事業者による苦情の処理(35条)
✓匿名加工情報の作成等(36条)
✓指導および助言(41条)
✓勧告および命令(42条1項)
✓個人情報保護委員会の権限の行使の制限(43条)
✓適用除外(76条)

〇第三者提供との関連
本規定は、国内の個人情報取扱事業者から個人データが、国外の第三者に提供される場合には適用されません。かかる場合は、改正個人情報保護法で新たに設けられる「外国にある第三者への提供の制限」(同法24条)が適用されることになります(「改正個人情報保護法ニュース⑪:外国にある第三者への提供の制限」参照)。
したがって、第三者提供の一類型である「個人データの取扱の委託」を外国の事業者にする場合にも適用されません。

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