(執筆者:弁護士 神部美香)
【Q.】
このたびの震災に伴い、相続放棄等の期間が延長されたと聞きましたが、どのような内容なのでしょうか。
【A.】
東日本大震災を契機に、「東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律」(以下「特例法」)が成立し、平成23年6月21日に公布、施行されました。今回は、特例法と併せて同月に発表された、行方不明者の死亡認定に関する手続迅速化のための新たな運用方針について、概要をご紹介いたします。
1.死亡の認定に関する新たな運用方針について
民法の基本原則によれば、「人」は死亡によって権利主体としての地位を失い、相続開始や身分関係の終了をもたらします。一方、死亡が明らかでない場合には、単なる「不在者」(民法25条)として扱われるに過ぎず、相続が開始しないために、財産管理に問題を生じたり、相続の順序に影響したりする可能性があります。このような状況に対応するための制度が、「認定死亡」(戸籍法89条)や「失踪宣告」(民法30条)です。