(執筆者:弁護士 雑賀裕子)
【Q.】
企業の不祥事が発覚すると、「第三者委員会」が調査を行うというニュースをよく聞きます。この第三者委員会のガイドラインがあるそうですが、どのようなものでしょうか。
【A.】
1.ガイドライン策定の背景
不祥事が発覚した企業等が、社会的信頼の回復のため、調査委員会を設置し事実関係等の調査を依頼するケースが増加しています。このような調査委員会には、①企業等から独立した外部者のみで構成されるタイプ(「第三者委員会」)や、②企業等の内部者と外部者が混在するタイプがあります。調査委員会の活動については、調査方法がまちまちである、調査結果が開示されない例があるといった批判や、②のタイプの委員会は企業からの独立性に欠けるといった批判が聞かれます。
そこで日本弁護士連合会(日弁連)では、「第三者委員会は、すべてのステークホルダーのために調査を実施し、その結果をステークホルダーに公表することで、最終的には企業等の信頼と持続可能性を回復することを目的とする」との基本原則を定めた「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」を策定しました(平成22年7月15日公表)。今回は、この主な内容をご紹介します。