(執筆者:弁護士 荻野伸一)
【Q.】休業手当の支払義務はありますか?
当社の従業員が新型インフルエンザに感染したため、当該従業員自身を休業させるとともに、近くで業務を行っていた従業員にも自宅待機を命じることを検討しています。
このような場合、会社は休業手当を支払う必要があるのでしょうか。また、家族が新型インフルエンザに感染した従業員や、発熱等の症状がある従業員に対して自宅待機を命じる場合はどうでしょうか。
【A.】
1.はじめに
新型インフルエンザ(H1N1)が流行期に入り、従業員が感染する危険が高まっています。新型インフルエンザに感染した従業員や感染の恐れがある従業員を休業させた場合には、事業者に賃金や休業手当の支払義務があるのかという法的な問題が生じます。
2.問題の所在
従業員が休業した場合に、事業者が賃金の支払義務を負うか否かは、その休業が「債権者(このケースでは事業者)の責めに帰すべき事由」(民法536条2項)すなわち、事業者の故意・過失等によるか否かによります。